中山成彬国土交通大臣が失言で辞任した。主な失言は三つで、
1.単一民族
2.成田空港問題のごね得
3.日教組批判
1や2は全くの論外。ただ3については、今のこの時期に大臣がすべき発言ではなかったと思うものの、日教組を批判する気持ちはよく分かる。
なぜよく分かるかって? 一例をあげてみよう。まずは以下のページを見て欲しい。
日本教職員組合ホームページ > 子どもと教育を考える > 親子で学ぶおもしろ算数教室
この「親子で学ぶおもしろ算数教室」には、以下の前書きがある。
この教室では、算数がホントはおもしろい科目で、学校では味わえないほど “わくわくドキドキ” するくらい楽しく勉強できるんだってことが体験できるよ。「楽しく勉強できること」は、「だれもがよーくわかるようになること」、そして「おもしろいこと」なんだ。
お父さんやお母さんといっしょに、水道方式に基づいた算数学習を遊び感覚で楽しんでみよう。
リンクが切れていて水道方式というのが何か分からなかったが、この前書きには特に問題はない。算数を楽しく勉強できれば素晴らしいではないか。その言や良しである。
前書きの下には目次があって、2008年9月30日現在、第01回から第09回までの算数教室が掲載されている。第01回から第06回を見てみると、なるほど興味を引くタイトルで、算数を楽しく勉強できるように工夫していることが分かる。
第02回 12を102と書く賢い(かしこい)子ども
第03回 タイガーウッズが打ったショットの飛距離(ひきょり)は? 〜メートル法の話〜
第04回 「バラバラ屋」と「そろいもの(揃い物)屋」のお話
第05回 魔法(まほう)の十字(じゅうじ)「マジッククロス」
第06回 「ニコニコわり算」と「ドキドキわり算」の世界
ところが、第07回と第08回のタイトルが異様だ。
なぜ嘉手納基地? たいていの人は疑問に思うことだろう。算数と嘉手納基地に何の関係があるのだろうと。そこでこの第07回と第08回を見てみると、腰が抜けた。
第07回から抜粋すると、
住民は自分たちの土地に入るために、わざわざパスポートが必要(ひつよう)で、無断(むだん)で入るとアメリカ軍の警察(けいさつ)に捕(つか)まってしまうんだ。
(1)3分の1
(2)半分くらい
(3)4分の3以上
ところが、1945年4月に、太平洋戦争(たいへいようせんそう)で、たくさんのアメリカ軍が沖縄の島に攻(せ)めこんで来て、嘉手納町を占領(せんりょう)したんだ。戦争が終わった後、住民をみんな遠くの収容所(しゅうようじょ)に閉じこめて、その間に勝手にフェンスで囲(かこ)んで、広大なアメリカの軍事基地(=“カデナ米軍基地”のことだね)をつくってしまったんだ。
戦争が終わって59年もの月日がたった現在(げんざい)も、自分たちの土地をぜんぜん返してもらえないし、自分の土地に入ることもできないんだ。太平洋戦争(たいへいようせんそう)が起きたのはすいぶん前なので、今は平和な国だと、ほとんどの人は思っているかもしれないね。でも、沖縄では、完全に戦争が終わったとはいえないんだ。みんな、自分の住んでいる町が嘉手納町みたいだったら、どう思う?
これすべて、親子で学ぶおもしろ算数教室のページから引用したものである。
極めつけは第08回である。第08回には『「カデナ米軍基地」と「1あたり量」』の授業を受けた子供たちの感想が載っている。
* 私たちが住んでいる嘉手納町が、本当はあんなに広(ひろ)いんだと初(はじ)めて知(し)った。もし、戦争(せんそう)がなかったら、あんなフェンスもなければ、私たちの住(す)む家(いえ)も大きかったかもしれません。
* あんな怖(こわ)い飛行機(ひこうき)があるなんて、知(し)らなかった。世界の人は「沖縄(おきなわ)は海がきれいで、人も優(やさ)しい」と言っているけど、本当は「恐(おそ)ろしい島(しま)」と思っているかもしれない。
* 小さな島“沖縄”の小さな町“嘉手納町”に、こんな飛行機が置(お)いてあるなんて。この基地からミサイルが発射(はっしゃ)されたら、狙(ねら)われるのはこの島で、私たちは逃(に)げたくても逃げられないだろう。こんな小さな島に大きな基地があるので、とても怖い。
繰り返すが、親子で学ぶおもしろ算数教室である。子供たちの感想が恐ろしい。どこが算数なのだろう。算数の名を借りた恐るべき思想教育ではないか。
中山国交相の日教組批判に、「日本の教育のガンは日教組だ」という発言があった。大臣として不適当な発言であるが、日教組がガンであることは間違いないようだ。


